専門家コラム

起業のタイミング、私のケース「雑貨屋という働き方を選んで」

雑貨とドライフラワーの店 MYRTE(ミルテ) オーナー  栗山 友美子

起業のタイミング、私のケース「雑貨屋という働き方を選んで」

藤枝市で雑貨店を開業するに至った経緯とは?「起業したい」「お店を持ちたい」「これから何かをはじめたい」と考えている方たちへ、伝えたいこと。

街の雑貨屋を始めた私と、お店に集まる自営業の先輩たち

2015年3月に約8ヶ月のほど準備期間の後、藤枝市で「雑貨とドライフラワーの店 MYRTE(ミルテ)」を開業しました。大切な人への「ありがとう」や「おめでとう」時には「大丈夫」「がんばれ」が伝えられるギフトが見つかる、そんな店を目指してメーカー商品から作家さんの作品までご紹介しています。加えて、ドライフラワーの販売から、アレンジのオーダメイドの受注や講座も実施しています。小さいですが、キッズスペースを設けています。小さなお子さんとも一緒にぜひお越しいただけたらと思っています。

店を開いてから、お客様との出会いはもちろん、多くの自営として働く女性とお知り合いになることができました。同年代の方もいらっしゃいますが、自分よりも自営業歴が長かったり実際に年上のお姉さん達も数多くいらっしゃいます。なので、私にとっては皆が先輩です。

そんな自分も含め、先輩達を取り巻く環境は様々。仕事内容はもちろん、ご結婚されているか、お子さんはいるか、そのお子さんは何歳なのか、親御さんと同居しているか、などなど。当然のことなのですが、家族構成や今置かれている自分の状況、まわりから求められているものはまったく違っています。似た状況にいる人というのはいるとは思いますが、まったく同じなんてない。悩む事も前に進む方法もひとそれぞれに違います。お話をお伺いしているとその点をいつも実感しつつ、刺激を受けている後輩です。

ただ、私自身はそんな先輩達の後輩になりたい!と最初から思っていたわけではありません。つまり「いつか雑貨屋になりたい」と思っていたわけではない、ということです。

では、なぜ雑貨屋として自営業をはじめたのか。それは単純な話なのです。

想像もしていなかった雑貨屋開業と、そのタイミング

専門分野が様々な先輩達が、ピヨピヨひよっこの私を気にかけて集まってくださるのと同時に、「何かをはじめたい!」具体的に「○○で仕事をしたいけど、どうしよう」という方も、気づいたら集まってくださりお話を伺う事もあります。そんな時は必ず「ミルテさんは何がきっかけでお店をはじめたんですか?」という質問を受けます。そうなったら本当は少しかっこつけて、というかイイ話風に「小さい頃からの夢だったんですー」「えー夢かなったんですねー」なんて会話もしたいくらいなのですが、嘘を言っても仕方がないので、そのまま「会社を辞めたからです」と答えています。決して昔から夢だった、という事はないのです。

前職が雑貨に関わる仕事をしていたので、まったく白紙の状態だったわけでもないのですが、むしろその業界にいたからこそ、店舗を持って雑貨を売ることの大変さや景気も含めた状況を考えた時の厳しさを感じていたので「キラキラ輝く雑貨屋の自分」を夢に描いたこともありません。

では、なぜなのか?実はそこを言葉にするのは難しくなってきます。

会社を辞めるからには新しい仕事を探さなくてはならず、就職先を決めるのが目下の問題でした。が、当時の私はその考えがどうもしっくりとはきませんでした。なぜだろう?なんでしっくりこないんだろう?と考える中で、ふと「お店をはじめるのはどうだろう?」という思いになったのです。前述していますが、様々な "やらないほうがいい状況” を知っていたにも関わらず、です。しかし、そう思った時のことを思い出すと、モヤモヤしていた霧がサーッと晴れるような思いになったのを覚えていて、そこでなぜ晴れたのか?についてもを言葉で表現するのは、やはり難しいという思いになります。

ただ、言い訳のような話ですが、これまでの人生でこんな感覚的に生きてきたか、というとそうではありません。とても小心者なので、ひとつひとつを前から準備をしないと進めないタイプですし、どちらかというと堅実でありたいと思う性質の持ち主なのです。ですから、現在の自分を数年前の自分は100%想定はできない状況であったりするので、時に人は自分の想定外のことをするのだなぁと、まるで人事のように考えたりしています。

そんな経験から「物事ってタイミングなのではないか?」と強く思うようになっています。タイミング、言葉では言い表せないめぐり合わせのような。

先に走ってから考える・探す・整える

ただ、そんな「タイミング」と言っても人それぞれに違うではないか、どうすればタイミングとめぐり合うか、という話になるかと思います。そこを聞かれてしまうと、それは自分しかわからない。なぜなら、まったく同じ環境にいる人なんていないのですから。

これから何かをはじめたい、という方々それぞれを取り巻く環境や考え方・大切にしたいものや価値観など、挙げたらきりのない物事が、「○○をしたい、でも今の自分では○○だからはじめるのはやめよう」となる原因になっているのであれば、それは今はタイミングではない、ということなのかもしれません。ただ、私も私のタイミングしかわからないように、自分のタイミングを知ることができるのは自分しかいないのでは、とは思います。またひとつの話として、先輩たちの中には「タイミング」を引き寄せていると感じる人が多いという事。自分しかわからないタイミングは、自分で作る人もいるということです。

何かをはじめるとき、当然ですが、失敗しないように、迷惑をかけないよう準備されるかと思いますが、私自身は準備をしていても日々失敗の連続で、まわりに迷惑をかけてばかりいます。ですから、以前の自分よりも助けてもらって「ありがとう」と言うことが多くなりました。でも、「堅実に生きたい」とそもそもは思っている人間にとって、失敗や迷惑というのは「一番したくないこと」ではあるのです。しかし、現状はしたくなくても、してしまっています。それを思うと私が思った自分のタイミングは間違っていたのかな?ということにもなるのですが、それだけは違う、と声を大にして言えます。もし、サーッと晴れた霧を認識しつつも、今の決断をしていなかったら、大袈裟な言い方をすると一生後悔していたのではないか、と思ってなりません。なので今一切、後悔はしていません。

なにかをはじめたくてモヤモヤしている方が、ここだ!というタイミングを感じたら、走り出してみてはいかがでしょう?タイミングを待つなんて悠長だと思う方は、タイミングを作るために助走として、ゆっくり走り出してしまうのも、いいかもしれません。必ず失敗はしますし、落ち込むこともたくさんありますが、走りながらでも、そこを考え直したり、改善する策を探したり、どなたかに相談をして、自分では思いつかない視点から今の自分を整えてもらうのも、いいのではないではないか、と思っています。

こんなことを書かせていただいている私は、今でも走っては迷走し、走っては給水を忘れます。そのたびに家族や先輩方、友人たちに助けてもらっている自分は、走って成功した例かと言われると困ってしまうのも事実。しかし、走っている事に後悔していない間は失敗例でもないと思っているので、もうしばらくは走っていたいなと思っています。働くという漢字は「人が動く」って書きますものね。と、金八先生の授業のような事を言ってみたりして。

雑貨とドライフラワーの店 MYRTE(ミルテ) オーナー /栗山 友美子

藤枝市出身。大学卒業後、営業職を経て転職。雑貨の営業・企画や出荷からイベント、催事等も自分達で行う部署で9年半勤務。現在の雑貨の知識やノウハウを学ぶ。退職後、約1年ほどの準備期間を経て自店を開店させた。
アウトドアもインドアも好きなMIX人間。

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